活動報告 of 東京都寄宿舎連絡会 オフィシャルサイト

活動報告


寄宿舎連絡会の誕生
 1984 年11 月、東京都教育委員会から、足立ろう学校、久我山盲学校、文京盲学校の3校の寄宿舎を廃止するとの提示がありました。この廃止計画の提示は、まったく突然のものであり、3校の保護者・教職員・生徒に大きな不安と動揺を与えました。
しかし、障害を持つ子ども達に豊かな教育を保障する上で、寄宿舎はなくてはならない
ものであり、各校の保護者と教職員は「寄宿舎をなくすことはとんでもないことだ」とた
だちに廃止計画の撤回を求めて立ち上がりました。
 廃止反対の要請署名、障都連(障害者の生活と権利を守る都民連絡会)の対都要請等様々な行動が取り組まれましたが、東京都は廃止計画の撤回をしませんでした。しかし、運動は粘り強く続けられました。
 1985 年1月から、都議会に対しての請願署名が取り組まれ、約3万の署名が集められました。また、7月の障都連主催の夏季要請行動では、都内の13の寄宿舎設置校のPTAが自分の学校の要請は行わず、3校の寄宿舎の廃止を取りやめるように要請しました。この夏季要請行動の「寄宿舎をなくさないでほしい」という願いの強さは大きな勇気をみんなに与えました。
 同年9月以降も、様々な父母集会、交流集会が開かれ、学者・文化人の著名人アピールが発表されるなど、運動は大きく広がりました。11 月下旬にはNHKが朝のニュース番組で廃止撤回の運動の様子を放送しました。
 同年10 月15 日に都民集会が準備され、それに向けて初めて寄宿舎設置校13 校の保護者の代表と職員の代表が集まりました。この場で、寄宿舎に入舎している舎生の親の会をつくることが確認されました。これが現在の寄宿舎連絡会の始まりです。

 このような運動の高まりによって、東京都もついに廃止計画の強行を断念し、6 月の都議会で都知事が計画を見直すことを言明しました。この結果、久我山盲学校と文京盲学校の寄宿舎廃止は中止、足立ろう学校の廃止については阻止することはできませんでしたが、廃止年限の1 年間の延長ということになりました。
 3 校の寄宿舎廃止計画は、当時多くの都民の反対があるにもかかわらず強引に推し進められた「行政改革」の一環として提示されたものであり、当時はだれもが廃止計画撤回の見通しは持てない状況でした。しかし、それを覆したのは、保護者と教職員の力を合わせた運動の成果であり、寄宿舎連絡会はその厳しいたたかいの中から生まれました。寄宿舎連絡会はそれ以降、寄宿舎を充実する運動の軸になり、現在に至っています。

現在の活動

 毎年4月に都立特別支援学校寄宿舎設置校の寄宿舎生保護者と寄宿舎指導員の代表によって組織されます。
 1年間の主な活動では、「教育委員会要請行動」、「都議会議員要請行動」、「都議会請願署名」、「請願署名の街頭宣伝」、「年4回の世話人会」、「保護者教職員交流会」、「学習会」、などを行っています。

 都議会に提出する請願署名では、25年以上もの間、都議会文教委員会にて審議が行われています。残念ながら最大で13校あった寄宿舎は、2013年度現在6校まで縮小し、さらに2015年度末をもって久留米特別支援学校の廃校・廃舎が計画されています。
 寄宿舎は障害を持つ子どもたちにとって、とても意味のある教育機関です。寄宿舎をこれ以上減らさず、すべての子どもたちに寄宿舎教育を保証できるよう、今後も寄宿舎の統廃合に反対し、寄宿舎教育の充実、新たな寄宿舎の設置を求めて様々な活動をしていきたいと思います。
 会の趣旨等にご理解いただき、ぜひご支援をお願いいたします。



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